7人が本棚に入れています
本棚に追加
「ゆ~きのよ~るはいえからでるな~♪
まほろのひ~めにおこられる~♪
まほろのひ~めをおこらすと~♪
もりからぬしさまおりてくる~♪
ぬしさまあったらかくごしろ~♪
たいかはいのちのほかになし~♪」
…長さんの家には小さな子がいて、囲炉裏で暖を取りながらそんな歌を歌っていた。
「…何の歌だい?」
子供の歌なのでちょっとよく解らないのだが…
僕の質問に、長さんの家にいた若い女性が答えてくれた。
「里に伝わる童歌よ。山の雪は深いから、雪の夜は出歩くなって言う戒めの歌。」
言って、子供を抱えあげる。
「水無月桜です。このコの母で、芹とは従姉妹♪」
そう自己紹介をされる。
「…芹…さん?」
「貴方達も会ったでしょ。主様に仕える巫女姫よ。」
「ああ!あの巫女の彼女!」
彼女の話題が出た途端、先輩の目の色が変わった。
「確かにスゲー美人だった!」
「天女かと思ったくらい!」
そういう山中先輩と直井の発言に、長さんが笑顔で語る。
最初のコメントを投稿しよう!