童歌

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 この方がまた不思議な方で、芹さんと共に生まれ変わりを繰り返し、鷹崎家や水無月家の繁栄を支えていて、今では両家から【生き神】扱いされ、一族の方の信仰の対象になっているとか…  そして芹さんも、主様お付きの巫女として、そして主様の許嫁として敬われているのだとか… 「嘘でしょ!?超好みのタイプだったのに!次に会えたら、絶対口説こうと思ってたのに!」  そういう先輩の発言に、長さんから警告があった。 「芹は主様のもんじゃ。余所者は、気安く社に近付くでないぞ。命の保証すら出来んからな。」と…  そう言う長さんの表情は真剣そのもので、先輩も黙ってしまう。  部落や少数民族の宗教など、関わるとロクな事が無い。  確かに芹さんは美しかったが、少なくとも僕と直井はこれ以上関わるつもりはなかった。  僕達は今晩だけお世話になるだけの余所者なのだから…そう思っていたのだが、夕飯をご馳走になった時に、桜さんから予想外の通達がされる。 「貴方達は2日間のんびりしててね。月曜には鷹崎の御館様からヘリで物資が届くから、それで麓に帰れるから。」と…
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