第1章 契約の内容

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知っている先輩に話しかけられ、なんだかほっとした。 「……相当深い悩みがありそうね。」 「はい。」 気心知れた先輩に、私は思わず悩みを聞いて貰おうと思った。 「あの、先輩。相談に乗ってもらっていいですか?」 「いいわよ。」 三宅先輩は、身軽に私の隣の椅子に座ってくれた。 「実は、弟が脳腫瘍になってしまって……」 「泰介君が!?」 一度泰介に会った事がある三宅先輩は、心配そうな顔をしてくれた。 「それが、費用を気にして、手術を受けないと言いだして……」 「泰介君、優しいからね。それで?費用はなんとかなるの?」 「それが、泰介の学資保険を解約したんですけど、まだ費用が足りなくて。私もそんなに貯金もないし。この会社、ボーナスも出るか分からないし。」
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