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知っている先輩に話しかけられ、なんだかほっとした。
「……相当深い悩みがありそうね。」
「はい。」
気心知れた先輩に、私は思わず悩みを聞いて貰おうと思った。
「あの、先輩。相談に乗ってもらっていいですか?」
「いいわよ。」
三宅先輩は、身軽に私の隣の椅子に座ってくれた。
「実は、弟が脳腫瘍になってしまって……」
「泰介君が!?」
一度泰介に会った事がある三宅先輩は、心配そうな顔をしてくれた。
「それが、費用を気にして、手術を受けないと言いだして……」
「泰介君、優しいからね。それで?費用はなんとかなるの?」
「それが、泰介の学資保険を解約したんですけど、まだ費用が足りなくて。私もそんなに貯金もないし。この会社、ボーナスも出るか分からないし。」
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