第1章 契約の内容

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エレベーターの扉が開かれ、私達は6階に降りた。 「店は、そこの角だよ。」 「はい。」 すると本田さんは、腕を差し出してくれた。 「あの……」 「ただのエスコートだよ。」 「は、はい。」 私は、本田さんの腕に、そっと手を置いた。 ただの……エスコート。 そんな事を知らない私に、この人の相手なんて、勤まるのかしら。 「ほら、ここだ。」 「うわぁ……」 カフェテリアのような、開放感のあるお店。 まるで、ほんのお茶を飲むくらいの。 「もう少し歩くと、バーもあるんだが、君はこっちの方がいいだろ?」 「はい。」 本田さんは、返事をした私を見て、クスッと微笑んだ。
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