第1章 契約の内容

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「やっと、笑ってくれたね。」 「あっ……」 自分のあまりにも、世間知らずな部分に、恥ずかしくて、愛想を振りまく事すら忘れていたのだ。 「お席は、こちらになります。」 そこは一番窓側の席だった。 「どうぞ。」 ウェイターの人に椅子を引かれ、それすらにも緊張した。 「何を飲む?」 「ああ、赤ワインを……」 「赤ワイン?」 本田さんは、私を見てまた笑っている。 「……可笑しいですか?」 「いや、そこだけ大人なんだなぁと思って。」 「えっ……」 やだ。 こういうお店に、あまり慣れていない事も、知られちゃった。 「お酒、強いの?」 「いえ。むしろ弱いんです。だから、最初にビールとか飲んでしまうと、飲みたいお酒が飲めなくなってしまって。」
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