第1章 契約の内容

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胸がドクンと鳴った。 耳元で言われたのもそうだけど、”セックス”って…… そんな言葉、昼間から口にできるなんて、この人は本当に、欲求だけなんだ。 「もう、そろそろ行こうか?」 「……どこにですか?」 「どこって、部屋にだよ。」 いつの間にか、本田さんの手の中には、鍵があった。 「あ、あの……本田さん?」 「ここで騒いだら、どんな事になるか、分かっているよね。」 ズキッと胸が痛んだ。 本田さんは、確信犯だ。 女を黙らせる事に、長けている。 私が立ち上がると、本田さんは私の手を握った。 それは、到底甘いものではなく、”逃がさない”と言わんばかりの。 クラクラする。
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