第1章 契約の内容

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それは、弟の一言から始まった。 「えっ?頭が痛い?」 「うん。吐き気がするくらい痛いんだ。」 朝、まだ学生の弟・泰介がそんな事を言い始めた。 「どうしよう。病院に行く?」 「うーん。でも今の時期、学校を休む訳には、いかないから。」 弟の泰介は、大学受験をする為に、今まで以上に勉強に励んでいる時だった。 「勉強のやりすぎじゃない?」 「全然。これでも足りないくらいだよ。」 「念の為、お姉ちゃんの薬、飲んでおく?」 「うん。」 私は、痛み止めを泰介に渡した。 「ありがとう、姉ちゃん。」 「ううん。今日も勉強、頑張って。」 そう言って、泰介を送り出した。 それが、間違いだった。
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