第1章 契約の内容

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私は慌ててスマートフォンを、バッグから取り出した。 何件もの弟からの着信。 「先生、ご連絡有難うございました。私から電話してみます。」 『ええ。お願いします。』 私は急いでオフィスを出て、泰介に電話をした。 けれど、何度電話しても、泰介は出ない。 このまま放っておけない。 私の中で、何かがそう伝えた。 私はオフィスに戻ると、部長に一度帰宅させてくれるよう、頼んだ。 部長は、私と弟二人暮らしって言う事を知っているから、あっさり許可を出してくれた。 こうして会社を出た私は、タクシーで家に帰った。 「泰介!泰介、いる?」 家の玄関を開け、リビングを覗いて驚いた。
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