第1章 契約の内容

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泰介がうつ伏せで、倒れていたのだ。 「泰介!泰介!!」 呼びかけてみると、少しだけ意識があった。 「姉ちゃん……頭が痛い……」 その掠れた唸り声が、私にサイレンを鳴らせた。 「泰介、今救急車を呼ぶから!」 バッグからスマートフォンを出し、急いで救急車を呼んだ。 それがやって来たのは、呼んでから15分後の事だった。 「泰介、しっかりして!」 泰介と一緒に病院に行き、精密検査をして貰った。 大した事、ありませんように。 私が祈ると、頭が痛いと言った朝の泰介の姿が思い浮かんだ。 どうして、あの時。 病院に連れていかなかったのだろう。 私は、自分の浅はかさを責めた。
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