第1章 契約の内容

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そして、出された診断は、言葉を失うモノだった。 「弟さんの脳には、脳腫瘍があります。直ぐに手術をしないと、命にもかかわります。」 「脳腫瘍?」 見せられたレントゲンには、頭に大きな白いモノが映っていた。 「どうして……何で……」 昨日まで何もなかったのに。 「今までも、頭が痛いと仰っていた事は、ありませんでしたか?」 「いいえ。あの子、何も言わなくて。」 もしそうだとしたら、何で言ってくれなかったのだろう。 私が頼りない姉だから? どうして、どうして…… 「お姉さん。そんなにご自分を責めないで。手術の同意、してくれますね。」 「はい。」 どんなにお金がかかってもいい。 たった一人の弟を助けて。 私は、神様に祈った。
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