第1章 契約の内容

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病室の泰介は、静かに眠っていた。 薬が効いているのだろうか。 思えば、私が高校を卒業と同時に、母は若い男と出て行った。 父は荒れ果て、私が社会人になってからは、ほとんど家にいなくなって。 しばらくして、全く家に帰らなくなった。 それでも私が一生懸命生きてこられたのは、弟の泰介がいたからだと言うのに。 泰介まで失ったら、私はどうしたらいいのだろう。 「うんん……姉ちゃん?」 「泰介……」 私は目を覚ました泰介の手を取った。 「ごめん、姉ちゃん。心配かけて。」 「ううん、いいのよ。」 私はそんな泰介にほっとしたのか、涙がポロッと零れた。 「俺、そんなに悪いの?」 私は、首を横に振った。
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