第1章 契約の内容

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「大した事ないって。手術すれば治るって、お医者様も言ってたわ。」 「手術?」 その途端、泰介の顔色が変わった。 「俺、手術受けないよ。」 「えっ?」 「大した事ないんだろ?気合で直すって。」 そう言って泰介は、ガッツポーズを見せた。 「何言ってるの。お金だったら、心配しなくていいのよ。」 「だって……」 「いいから。ちゃんと手術を受けて、ちゃんと治しなさい。」 私は泰介の肩を掴んだ。 泰介は優しい子。 いつもいつも、家の事を心配してくれる。 だから絶対、死なせる訳にはいかないんだ。
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