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忘れられない夜
冬が訪れ始めの夜。
白い息を吐き出しながら外にいた俺はスマホを開き、メッセージを送った。
メッセージを送った先は幼馴染のフタバという女の子だ。
フタバとは家が隣同士で小さい頃から一緒によく遊んだ。そして高校3年になった今でもいつも一緒だった。
余りに近い存在すぎて、言い出せなかった事を俺は今日どうしても伝えたかったのだ。
だからメッセージで「外に出てきて」と伝えた。
暫くするとメッセージが返ってくる。
「何かあったの?」
「いいから出てきて。」
「わかった。」
そんなやり取りをして五分程すると、フタバは表に出てきた。
俺の立つ街灯の灯る電柱の光に照らされる様にフタバが現れる。
「寒いねー。」
フタバの頬が寒さからか赤く染まっている。
「ごめんね。こんな寒い日に呼び出したりなんかして‥。」
「ううん。大丈夫。何か話?」
「うん。‥」
しばしの沈黙。
いざフタバを目の前にすると言葉が出ない。
言うと決めていただろ俺。
そんな俺の様子にフタバが首を傾げる。
そして何かを思いついたかのように拳を手の平にポンとのせる。
「もしかして告白しようとしてた?」
不意な図星に俺は気が動転する。
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