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「な!ななな!なんで!?」
「違うの?」
イタズラっ子風なフタバの顔が憎らしいけど愛らしい。
「うん‥」と俺が言葉を返そうとした瞬間にフタバが慌てて言葉を被せる。
「なーんてね!冗談だよ。変な事言ってごめん。」
誤魔化すかの様に戯けて見せるフタバは手に白い息を吐き暖を取る。
ダメだ。また話が流れる。俺は情けない奴だ。いつも言い出せず終わってしまう。
今日こそ言うんだろ?俺はそう決めたんだよ!
「フタバ!!」
急な俺の発言にフタバが驚き瞬きをする。
「フタバ!俺は!俺はお前の事が好きだ!ずっとこの先も、これからもずっとだ!だから!俺の側にいてくれ!!」
言った!俺はいったぞ!
俺はフタバの顔が見れず目を瞑っていると俺の手に温もりを感じる。
目を開くと、俯くフタバが俺の手を持ち上げ握り締めていた。
「ずっとこの先も、これからもって同じじゃん。」
そう言って顔を上げるフタバはまた悪戯っ子風の笑顔を見せる。
だけど違う所が一つ。目に涙を浮かべていた。
「せ、精一杯の言葉だったんだよ!笑いたきゃ笑え!」
そういって俺は顔を背けると、フタバが俺の手を更に握り締め、首を横に降る。
「ううん。嬉しいよ。」
「えっ?」
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