死んでしまった私のたまり場は学校です

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キーンコーンカーンコーン いつものチャイム。私は自分の席についた。座った感覚も、ものに触る感覚もあった。 担任の三日月(みかづき)奈々未(ななみ)が教室に神妙な顔つきで入ってきた。 「起立。」 「気をつけ。」 「礼。」 「「「おはようございます!」」」 「着席。」 いつもの動作。私も同じようにやった。 「ええ、最初に、本当に悲しいお知らせです。暁紫苑さんが、昨日交通事故にあって......」 三日月先生はその場に突っ伏した。 クラス全員が何があったかを察し、下を向いた。 三日月先生、そんなに私のこと、大切に考えてくれてたんだ。 「......連絡は以上です。」 三日月先生は終わりの挨拶もなしに教室を出ていった。 「ちょっと待ってください!私はここにいますよ!」 呼び止める私の声も聞こえていないようだ。
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