雪の日のいたずら

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外は歩けないほど強い雪が降っている。 みんな家に帰れず、学校に閉じ込められた状態だ。辺りも暗くなってきた。 すると、誰かがこんなことを言い出した。 「ねぇ知ってる?この村には、雪の夜に見かけた白うさぎには 気をつけなさいって話があること。」 ずいぶん昔、今日みたいに雪が降って学校に閉じ込められた日があった。生徒の中でも好奇心旺盛な4人の男子は、夜の学校を冒険しようと校舎の中を歩いていた。 すると、いるはずがないのに、校舎の中に白うさぎが。みんなは、捕まえようと夢中で追いかけた。 気がつくと、裏山の中に入ってしまっていた。この裏山には、村の神様が祀られているとかで普段は山の周りに柵があり、入り口には鍵がかかっている。 だが鍵を開けた記憶はない。みんなは不思議に思っだが、それよりも、うさぎを見失なってしまった。しかも、雪が降っていて帰り道が分からない。どうしようかと嘆いていると、4人がぎりぎり入れるような小さな洞穴がすぐ側にあった。みんなはそこで肩を寄せ合いながら座った。 声が聞こえて目を開けると、そこは病院だった。しかも朝になっている。 4人は昨日あったことを大人達に話した。 でも大人達は、みんなを見つけたのは裏山の入り口の前で、鍵もしっかりかかっていたと言う。しかも4人は雪の上で寝ていて、見つけるのがもう少し遅ければ危なかったとも言った。 白うさぎの話は村中に知れ渡った。 裏山に祀られている村の神様のいたずらだったのだろうという意見が多かった。 本当にそうだったのか。あれは白うさぎではないのだろうか。もしかしたら、雪の夜がつくりだした幻だったのかもしれない。
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