僕のバレンタインデー

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僕のバレンタインデー

 平均的な高校2年生であると自覚するこの僕。  今年もバレンタインデーがやってきた。  だが、昼休みも、放課後も、例年通り僕にチョコレートをくれる女の子はいなかった。  念のために机の中や下駄箱も点検するが、予想通りと言うかなんというか、何も入っていなかった。  だからこの日が僕は嫌いだ。  でも、学校でもらえなくとも…… 「おかえりなさい」  家に帰るとママが僕を出迎えてくれた。そして、 「はい、バレンタインデーのチョコレート」 「ありがとう」  そう、母親がいる男の子なら、ほとんどの人はチョコレートを1つはもらえるだろう。  部屋に入って包みを開けると、ハート形で……  両手にも余る大きさの手作りチョコレートだ。 「入るわよ。あら、もう開けちゃったのね」 「だって、ママのチョコレート、大好きだもん」 「うれしい。作った甲斐があったわ」  その言葉と同時に、僕とママは口づけを交わした。
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