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 胸の奥深く、何重にも包んで押し隠した心を、グサリと暴き立てられて、シグルドは、ただ息を飲んだ。 「『これ』を己の責めと思うならば、シグルド、最後まで我を支えよ。王子としての我を、そして王となった後も。決して裏切るな、我を」  黄金(きん)の鷹の瞳を気高く燃えたぎらせ、アルトナルはシグルドを見据える。  ゆっくりと、シグルドが騎士の作法で跪いた。  そして、ただひと言、「御意」と。  それだけを口にし、深く、深くこうべを垂れた。  そしておそらく、それが御前を下がる潮時だった。  シグルドが、ふと考え込む。  さて、自分はどう帰ったものだろうか……と。  部屋の扉から帰るべきか、はたまた、やって来た「道」から戻るべきなのか?  そんな逡巡をすぐさま読み取って、王子がシグルドの蒼い瞳を覗き込んだ。  しばし無言で見つめ合ったのち、ふたりの男は、ほぼ同時に噴き出すと、少年の声で笑い出した。
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