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むう……。
引っ張ったらダメなら…
「…なんだ、手を掴むな…」
私は碧斗の手を掴み、グーにされた指を一本一本、開いていく。
彼は私を言葉で制するけど、手を振り払ったりはしない。
じゃあこれは大丈夫なんだ。
そう私は理解をして、彼の指を全て開く。
開かれた掌をしげしげと見つめる。
「……おい…」
これくらい良いじゃん…
私は訴えるように碧斗を見つめる。じーとただひたすらに見つめる。
「………見るな…わかったよ…好きにしろ…」
彼はふいと私から視線を反らせて、そう言うとこっちを見なくなった。
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