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目覚まし時計が鳴った。時間差で何個も鳴る。
でも私は起きられた試しがない。
「うるさ…よくこんな所で寝ていられるよな…毎回…」
「ほーら…もう起きないと朝御飯食べられないよ?」
聞こえてくる二人の男の子の声。聞き覚えのある声にようやく私は目を開ける。
目覚まし時計を片っ端から止めているのが、弟の碧斗。
私を見て笑みを浮かべているのが、お兄ちゃんの翡翠。
「おはよう…」
私は目を擦りながらベッドからようやく起き上がる。
「おはよう、朝御飯もう準備出来てるって。着替えておいで。一緒に食べよう」
「…はよ。早くしろよ?遅刻は勘弁だからな」
着替え…。制服に着替えないと…。
「…馬鹿っこんな所で脱ぐな!翡翠もガン見してんじゃねえよ。ほら下行ってるぞ」
「碧斗、腕引っ張らなくても行くって…じゃあ、先に降りてるよ。待ってるからね」
慌ただしく二人は部屋を出て行った。
私は身支度を済ませると二人の待つリビングへと向かう。
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