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「なあ、今夜、一緒に見ねえ?」
俺は、後ろの席の親友、鎌田由一に声を掛けてみた。
「はあ?中学にもなって、なにが悲しくて男二人で月を見なきゃいけねえんだよ」
「なんだよ。この間、お前が見たいって映画、付き合ってやったじゃんか」
「あの時と今じゃ、状況がちげーんだって」
「違うって、何が・・・」
俺が言いかけたところで、隣のクラスの牧野美和が近付いてくるのが分かった。
よそのクラスの女子が入ってきた事で、俺はついつい睨んでしまったが、鎌田は急に笑顔になると、牧野に向かって手を挙げた。
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