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牧野は、俺の事など視界に入っていないかのように、真っ直ぐ鎌田の席に向かってきた。
「ねえねえ、鎌田君、今夜の月食だけどさぁ」
「あ、うん、タコ公園で良かったっけ」
「それが、月食って十時からじゃん?うちの親が許してくれそうにないんだよね」
「えーっ!じゃあどうすんの?」
「うん、その時間ちょっとだけ見てくるって言って外に出るから、鎌田君、家まで来てくれない?」
「牧野ん家の前で見るの?」
「・・・ダメ、かな」
「ううん、いいよ。俺が牧野ん家まで行くよ」
「やったー。じゃあ待ってるね」
・・・何だか、置いて行かれた気分だ。
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