今夜の月は

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 牧野が去った後、俺は鎌田を睨んだ。 「お前、いつの間に」  俺がそう問うと、鎌田は頭を掻きながら、照れくさそうに言った。 「いやあ、昨日の夜、急に牧野から電話来てさ、その・・・告られた」 「なにい?!」  先を越された。いや、それより、何故それを親友である俺に報告しないんだ。 「で、受けたのか」 「あ、ああ」  動揺しているのか、鎌田の口調が少ししどろもどろになっている。 「な、なんかさ、月食を好きな人と見たいって、背中を押されて、それで、思い切って、俺に、告白しよう、って、決めた、とかなんとか。ははっ」 「ははっ、じゃねえよっ」
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