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「なんですぐに俺に報告しねえんだよ」
「い、いや、帰りまでには、い、言おうと、思ってたぞ、うん」
俺は鎌田を羽交い絞めにした。
いや、恨みからではない。祝福の意味を込めてだ。
「やったな、おい」
「い、痛いって、おいこら」
痛いと言いながら、鎌田も笑っている。
鎌田が、一年の時から牧野を好きだって事は知っていた。
その牧野からの告白だ。受けないはずがない。
「羨ましいぞ、お前」
「わ、分かったから分かったから、ギブギブ」
良かったな。心からそう思えた。
こんなに嬉しそうな鎌田を見るのは、初めてな気がしたから。
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