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約二メートルあるコンクリートの薄暗いバックルームの隅に、
冬の制服を着ている男性が、
こちらに背を向けてぼんやりと立っている。
強烈な恐怖感に覆われながらも、
多分震えているだろう声で尋ねた。
「あ、
あ、
あなたは何の用があって、
そ、
そ、
そんな所にいるのですか?」
「…………」
勇気を振り絞っていったのに、
その男性はひとことも言葉も発しないし、
身じろぎ一つしないで、
相変わらず背を見せて立ったままだ。
電話で館内放送ができるので、
開店以来からおられる店長なら後ろ姿でも誰だか分かるだろう、
と思い、
店長呼ぼうとして送受器を握ろうとしたまさにその時。
突然、
その男性が振り返った。
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