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このコンプレックスが、
悪夢を私に見させるのだろうか?
その筆舌に尽くしがたい悪夢とは――
蔦≪つた≫が我が物顔で伸びて壁全体を覆っている喫茶店へ、
妻が私を誘った。
そこは、
とても陰気で小さな喫茶店だった。
何か重大な話があるような、
深刻な顔をしたまり子。
そんな深刻な顔を私が見たのは、
この時が初めてであった。
店の中に入ると、
私は、
なぜか落ち着きなくキョロキョロと周囲を見回した。
考えられないほど、
とても薄汚い喫茶店だ。
店内は、
寒いほどにヒンヤリとエアコンが効いているが、
この寒さは、
エアコンのせいばかりでなく、
この店に漂う冷気も作用しているように思える。
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