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私は六十二歳で、
嘱託の身分ではあるが、
現役バリバリのタクシーの運転手として働いており、
何時も心がけているのは「お客様第一の精神で、
常に安全運転をする」事だ。
主に、
山陰本線鳥取駅北側でお客さんを待っているが、
自宅は鳥取駅より西の湖山駅から歩いて十分位のアパートに一人で住んでいる。
妻は、
まだ五十五歳だったのに老人性痴呆症になり、
県立病院のお医者さんの診断では、
前頭葉の血流が少なく「若い頃に性病に罹患したことは有りませんか?」と問われ、
私は正直に「はい」と小さな声で返事をした。
既に、
今の妻と結婚していたにもかかわらず、
若い頃とは言え、
商売女と何度も交渉を持った為に、
私も妻も梅毒に罹り、
共にお医者さんの世話になった事がある。
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