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事態が急変したのはそれからわずか2か月後、
世界各国が核の使用を公式に発表したのだ。
俺たちの研究は大半は完成していたが、
肝心の人体を用いた実験を行うことができてなかった。
男女一組で募集していたが、だれも応募してこなかったのだ。
当たり前と言えばそう。命の保証がない凍結実験に自ら名乗りを上げる者などいなかったのだ。
「あと一息なんですよ。肝心の実験がすすまなくてね。」
おれはいつものようにコンビニのレジで弁当をうけとりながら彼女に小声で現状の困った状況の愚痴を言っていた。
彼女はめずらしく顔をしかめてしばらく沈黙したあと、おもむろに言った。
「私がやります」
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