きょうはとくべつなひだ

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「え・・・何言ってるの?命の保証もないんだよ?」 「わかっています。でも、サカキさん困ってるし、私、力になりたいんです」 彼女は真剣だった。 まっすぐな瞳で俺をみつめて、つづけた 「今、世界は危険な状況になっています。このままだと、来年の桜は見れないかもしれない。でも、私がその実験に協力したら、多くの人の命が助かるんですよね?それならやります。いいえ、やらせてください。」 俺は何もいえなかった。彼女の決意がわかったから。 「本当にいいんだね?もう一度言うけど命の保証はないんだよ?」 「私、サカキさんを信じています。」 その一言で十分だった。 「わかった。ただし条件がある。俺も一緒に実験を受けるよ。それに了承してもらえるんなら、君の申し出をうけよう」 彼女は驚きで固まっていた。 いろいろなことを考えているんだろう。 目をつぶり、祈るようなしぐさをしてしばし黙り込んだ。 「わかりました。サカキさんと一緒なら、怖くない」
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