第1章

5/31
前へ
/31ページ
次へ
 人間が、 ヒト科として現在のように繁栄してきたのは、 たかが一万年前頃からである。 だが、 約三十五億年前にはラン類が出現し、 二十億年前頃に地球にオゾン層が形成されたため、 地表に達する有害な紫外線は減少した。 そこで、 我々の祖先は陸上進出を始めた。 我々のような杉が誕生したのは、 進化論的に考察しても何ら不思議ではない。  アンモナイトが繁栄を謳歌≪おうか≫し、 三億年前に両生類から進化した爬虫類は、 急速に多様化した。 その前にいた両生類に代って世界を支配し始め、 古生代半ばから中生代前半にかけては哺乳類型爬虫類が、 中生代には恐竜、 翼竜等が、 新生代からは鳥類や哺乳類が繁栄した。 恐竜が我が物顔で地上をかけ巡る頃、 我々植物は裸子植物が大半であった。 白亜紀には被子植物も登場した。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加