第1章

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 中生代より栄えてきた我々の花粉が原因で、 最近の人類は軟弱であるせいか、 花粉症とやらに苦しめられているらしい。  しかしながら、 建築用木材として我々の仲間を進んで植林したのは、 誰あろう人間だ。 時を追う毎に、 林業に携わる人間は、 減少し、 しかも高齢化している。 繁栄の象徴たる子孫の聖なる命を奪うばかりか、 森林荒廃で様々な問題を惹起≪じゃっき≫している。 森林は、 人間の未来を育むかけがいのない財産だ。 そういう認識をスローガンとして、 最近では、 まだまだ少数ながら、 企業が間伐、 植林……などに乗り出し始めた事実に、 もしも私に手があれば、 拍手喝采しているだろう。
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