第1章

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 生まれてから今までの記憶を遡及すれば、 正確な樹齢は分かるのだ。 確か弥生時代後期に生を受けた私の根元には、 幸いにも、 墓である伸展葬の人間達が埋葬された。 彼ら彼女らの死体が養分となり、 肉と脳みそを美味しくいただき、 大きく成長できたことには、 今でも感謝はしている。  したがって、 これだけは言っておきたい。 人間には本来何の恨みもなく、 それどころか衷心よりありがたく思っている、 と。  弥生時代はもちろんのこと、 古墳時代、 飛鳥時代、 奈良時代、 平安時代、 鎌倉時代、 南北朝時代、 室町時代、 戦国時代、 安土桃山時代、 江戸時代、 明治時代、 大正時代、 昭和時代、 平成時代……などの各時代を生き抜いてきた。 この期間に、 様々な知識と教養を身につけてきた努力は、 我ながら、 賞賛に値すると自負している。 さらに、 各種の超能力も同時に身に付ける訓練にも勤しんできた。
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