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バレンタイン当日。
「はいっ、あげるー」
「ありがとー！私もあげる！」
「わ、ありがと！！」
教室のドアを開けた瞬間、キャッキャした女子たちの会話が聞こえてきた。
よかったですねぇ……と心の中で呟きながら席につく。
あの人たちは純粋にバレンタインを楽しんでるんだろうなぁ……いいな。
私なんて、昨日44個＋予備2個を部活終わりから作って……。くたくただよ……。
「おはよー美紅……って、疲れ果ててんねー」
隣の席のイツメン、さくらが私を見て笑った。
「んー。昨日3時寝」
「まじか！？あ、そっか部活の人たちの分あるもんね」
「そう。いいな帰宅部……」
「あはは。じゃあそんな帰宅部からはい、ハッピーバレンタイン」
ニコッと笑ってさくらがチョコの入った袋を差し出してくる。
私はいつでもアンハッピーバレンタインなんだけど……。
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