2月14日

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「ごめん、泣かせて」 「責任、取ってよ」 「喜んで。」 開けっぱなしの冷蔵庫から流れる冷気が ハジメと私の真っ赤な耳朶を冷やす 「一緒に食べよう?」 ハジメの口に放り込まれたチョコレート。 こんな日は、来ないものだと思っていた。 「一緒に、って……私のは?」 見上げるとハジメに抱きしめられて 重なった、唇。 その微かな隙間から、甘い香り。 「……ん、っ」 こんなに、甘かったっけ? 二人の熱で溶け合うチョコレートの甘さに、夢中になる こんなに幸せなバレンタイン、初めてだよ。 「ねえ、もっとちょうだい」 二人で味わうチョコレートは、ひとりで食べるよりもずっとずっと、甘いことを知った。
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