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こういうプレイが好きなリオを受け入れている自分を、まだ認められてない。
初めて押し倒されて以来、告白などないままに、こんな爛れた関係を続けている。
もうかれこれ二ヶ月弱だ。
「ね、痛いですか?」
「だから……っ」
何度も言ってるだろ! というセリフは相手の口に飲み込まれてしまった。
言動とは裏腹に、優しく丁寧なキスだ。
7歳も年下のキスにうっとりするなんぞ、多少癪だが、実際リオは上手かった。
くるくると的確にポイントを辿る舌は、最後にねっとりと甘い塊を舌の上に乗せて出ていった。
訝しげに見ると、にっこり、と効果音が聞こえてきそうな顔をする。
「人事のゆうかちゃんがくれた、バレンタインチョコです」
「お……おまえ…………っ!」
ゆうかちゃんといえば、会社のアイドル的存在の女子社員だ。
ゆうかちゃんは今日、三時頃に同じフロアの社員全員にチョコを配っていて、勿論俺もあやかったが。
今、リオがサイドボードに広げている高そうな箱に入っているようなチョコではなかった。
その小洒落たピンク色の箱から、また一粒つまみ上げると、リオは口に含んだ。
「これもおいしーです。ほら」
天真爛漫な笑顔で、んー、と口づけてくる。
あー。
ゆうかちゃん、ごめん……
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