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日曜日、私が会ったのは先生でなくまりあだ。
大学生っぽく、カフェでお茶中。
まりあと会うのはひと月半振り。
まりあは高校の時から付き合っている佐々木君とまだ付き合っており、それも同じ大学で楽しそうなキャンパスライフを送っている。
「どう?先生とは?」
先生と付き合うことになり、一番先に報告したのはまりあだ。
ちなみに、涼子は二番目。涼子はかなり朝陽を推していたから、先生とのことを告白するのに勇気が要ったが、“よかったじゃない”と喜んでくれた。
今日は涼子はアルバイトで、来られないのでまりあと二人だ。
「うん。昨日も家まで送ってもらえたから、会ったよ……」
「わー涼城先生過保護」
「……ねぇ、生徒扱いが抜けないんだろうね」
「うーん、どうなんだろう」
元々綺麗なまりあは、大学生になってますます綺麗になった。
大きな瞳を瞬かせ、人さし指を唇に付けて顔を傾ける仕草は色っぽく同じ歳に見えない。
「私もまりあみたいな色気があれば先生が積極的になってくれるかなぁ」
ふと、心の声が漏れる。
「亜子、かーわい」
まりあの指先が私の頬に差し込まれる。
「えぇ……」
からかわれ、口元を小さく膨らますと彼女は「先生ともっと恋人っぽくなりたいんだ?」と言った。
「それはもちろん……」
「じゃあ先生を焦らせちゃえば?」
まりあが大きめな唇をにっと広げた。
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