エピローグ 〈20years later〉

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 始めたビジネスが最初の目的からどんどん離れて行くことには、ほんまは納得してなかった。でも加速がついてしまったもんは、もう止められなかった。俺は多くのものを得て、同じくらいのものを無くした。 「ちょっと休憩してたん?」  ミコはそう言って、また俺を下から見上げる。休憩、そうなんかな。 「次のヨージが楽しみやった。」  次の俺・・。 「それはみんなやわ。」  またいつのまにかそばに来ていたタマが言う。 「リク、覚えてるか?」  誰かと話していたヨーイチも戻って来ていた。  リク・・ヨーイチの弟。 『エレギとエレベとどっちがカッコええか言うたろか?』  走り去る後ろ姿を思い出す。ガールフレンドの名前はなんやったかな。 「リク君、音楽やってるねんよ。」  ミコの言葉にひとつのことを思い出した。 「もしかしたら〈Frankens (フランケンズ) Lovers (ラヴァーズ) Soul(ソウル)〉のベース・・・」  確か『渋谷リク』。ベースの渋谷と聞いて笑ったんや、書類だけ見て。  ヨーイチがニヤッと笑う。 「CEO.に会うことはなかったみたいやけどな。」  まさか、そんな近くに。 「あいつら、ドラムの首すげ替えられるの断って干されとる。」  俺のまったく知らないところで、いろんなことが動くようになった。CEO.なんて肩書き付けられて、現場から離れてなんもわからんようになってた。そんなことが。 「すまん。」     
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