どうやら世界中には僕らしかいない

1/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

どうやら世界中には僕らしかいない

今日は特別な日だ。話は少し前にさかのぼる。 どうやら僕は眠りからさめたようだ。気付いてみたら、僕はうす赤い光がさしてるカプセルの中にいた。カプセルの中は暖かくてとてもいい居心地が良い。壁が妙にぶよぶよしている。体の真ん中から管が出ている。管の中にはなにか流れているようで、管をつぶして流れを止めると苦しい。どうやらこれで栄養補給をしているようだ。管はあまりいじらないほうが良いだろう。隣にはソイツが眠っている。世界中には僕とソイツしかいなかった。僕は男でソイツは女のようだ。 「起きろ…、起きろ…。」 ソイツがそっと目を開ける。 「どうやら世界中には僕らしかいないようだ。なんでこんな事になっちまったんだ。僕の友達はオマエだけだ。起きたか?」 ソイツは少しだけ目をあけて、気づいたのか気づいていないのかまた眠ってしまった。まわりを少し観察すると、僕らの周りには手の届く範囲にだけ食べられるものがあるようだ。カロリーメートとでも呼んでおこう。自分の周りのカロリーメートを食べてみたらお腹がふくれた。ザラザラしてまずいが、暫くはこれで空腹は気にしなくて良いな。ソイツにも教えてやろう。     
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!