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だが、階段を駆け降りた直後、不意にカチッーーという重苦しい音が響く。
それと同時、私の後頭部に硬く長細い何かが突き付けられた。
私は恐る恐る後ろを振り向く。
そして、予想した通り、そこに居たのは殺意ある麗人こと、私の全てを奪わんとしている大家さん、デフォー・ブラッセさんであった。
彼女は殺意ある冷たい瞳を、此方に向けながら私の額に銃を突き付けつつ微笑む。
「どちらにお出掛けですか、ソードさん?
(*^^*)」
「い、いえ....ちょっと仕事の用事で....。
( ´;゚;∀;゚;)」
「今からですか?
こんな夜更けに依頼人たる、ご婦人宅に行かれると仰有るのですかソードさんは?
(#・∀・)」
「いえ、それはその....( ´;゚;∀;゚;)」
ブラッセさんが重々しい銃を私の額に押し付けながら、引き金に触れた指先に力を込める。
(何故、依頼人の事を知っているんだ!?
( ゚ε゚;))
私は動揺の余り凍りつく。
本当に恐ろしい人である。
一体、何処まで知っているのだろうか?
だが今は、そんな事を気にしている場合ではなかった。
何せ、このままでは私は間違いなくあの世行きだからである。
他人が、こんな私の姿を見たら超一流の戦士が何を情けない事を言っているのかと、思うかも知れない。
だが、現状はそんな生易しいものではなかった。
何故なら大家さんが私に突き付けているこの銃は、ドラゴン・ブラスターと呼ばれる竜すら容易く葬りさる曰く付きの一品だったからである。
そして何より恐ろしい事は、この私に殺意を放つ麗人ことデフォー・ブラッセさんは、この怪物じみた銃器を容易く扱うだけの技量を有しているということ。
つまり幾ら私でも丸腰では確実に、殺害されてしまうのだ。
故に現状....私は蛇に睨まれた蛙の如き状況に追い込まれ、命と金のどちらを取る?ーー的な選択を迫られている。
で、私がどんな選択をしたかというとーー。
至極当然、金よりも命を取るしかなかったのである。
故に......。
(・・・・・・・98、99、100。
96、97、98、99、100・・・何回数えても9,900
スピナ足りなーい!((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
これでどうしろというんだ!?(*´;ェ;`*)ブワッ)
再び極貧生活へと逆戻りしたのだった。
そして、次の日ーー。
私は意気揚々と問題の場所へと向ったのだが....。
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