如意先生襲名【前編】

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(今日も平和で何より..(´(ェ)`)) 私は窓から外を見下ろした。 事件も何も無い平和な日常..。 だが、それと同時にまた仕事も無い。 それは即ち金が無いって事だ。 (ふむ..腹が減ってきたな。 何か食事でも..( ・◇・)?) 私は机に視線を移す。 机の上には、ゆで卵一個のみ。 (冷蔵庫に何かなかっただろうかな?) 私は冷蔵庫を開ける。 缶ビールが二缶に、マヨネーズが一本..。 どう考えても空腹を満たせる量ではない。 (な....何だと?? こんなに物が無いとは....何か買い足さねば..。 (´(ェ)`)) 私はコートの内ポケットから、財布を取り出し所持金を確認する。 だが、更なる絶望が私の前に突き付けられる。 (なっ..所持金は2スピナだと....!? これではチョコ一つ買えないではないか!!( ; ロ)゚ ゚) まさしく悪夢だった。 世の中、平和なのは結構な事である。 だが、それは私の営む解決屋の仕事が入ってこないという事。 つまり、食っていけないという事だ。 解決屋とは幅広い意味で、様々な事を解決する仕事である。 数年前までは、凶暴な怪物や暴漢などを華麗に叩きのめしたりと、仕事に事欠く事はなかった。 しかし、最近は浮気調査やペット探し等々、そんな事までやらないと仕事が無いのが現実。 何より最近した仕事といえば、大量買いする為の荷物持ちの仕事のみ。 依頼料は僅かに1000スピナ。 しかも、それは一週間も前の話である。 それ故に....。 (金がある筈も無いか....( ´;゚;∀;゚;)) どうやら今、私が解決するべきは事件ではなく食の問題らしい。 (昨日で食パンは全て食い尽くした..。 では今日はどうやって凌ぐ?? ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル) 私は空腹と戦いながら、頭をフル回転させた。 そして私の有能なる頭脳は、ある解決策を私の前に提示する。 「人は口のみで食すにあらず....。 ふっ....我ながら名言だな?( ≧∀≦)ノ」 私はゆで卵を即座磨り潰すと、マヨネーズを入れて混ぜ込む。 それを他の器に移し終え、私は小スプーンを用意した。 何をしようとしているのかは、恐らく何者にも想像は出来まい。 何せ今、私がやろうとしている事は斬新にして画期的な行いだからである。 聞いた事は無いだろうか。 口から摂取するより、直腸から摂取した方が栄養の吸収率が良いという話しをーー。
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