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(さて、どう使いましょうかね、このお金?
( *´艸))
私は取り敢えず依頼人であるミカ・ウィンター女史より受け取った前金10,000スピナを眺めながら、このお金の有効なる使い道を模索していた。
しかも必要経費として調査の間、三日に一度5,000スピナも支給される好条件。
羽振りの良いこと、この上ない。
無論、とてつもない危険な調査になることは間違いないのだがーー。
私には選択肢が無いのだから仕方がない。
贅沢言っていたら、餓死してしまうのだから。
だが、決して何の勝算もなく引き受けた訳ではない。
全ては、ちゃんと勝算あっての事である。
(取り敢えず、久しぶりにまともな食事を取ろう!
今日は贅沢にステーキ三昧といきますか!?
(*>∇<)ノ)
私は弾む思いを抑えられず、右腕を高らかと突き上げた。
だが、その直後ーー。
ギギギギギギーー。
そんな重々しい響きと共に、事務所の扉が開く。
「おやおや、ソードさん羽振り良さそうですね?
お金でも入ったのかしら?
(#゚Д゚)」
「お....大家さん!?((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
私は事務所の大家さんこと、デフォー・ブラッセさんの鋭き眼光に思わず身震いした。
何故なら、その瞳に宿りしは獲物を見つけた餓えた狼のそれだったからである。
(す....隙を見せたら、根こそぎヤラれるーー!!
(*´;ェ;`*))
ひしひしと伝わってくる大家さんの気迫。
大家さんの狙いは間違いなく、滞納している家賃の回収であろう。
「ご、誤解ですよ大家さん..?
た、確かに仕事は入りましたが、仕事が終わらないとお金は入りませんので。
( ´;゚;∀;゚;)」
当然、嘘っぱちである。
だが、こうでも言わないと根こそぎ、持っていかれるのだから仕方がない。
「ふーん....そうなんですか?
分かりましたソードさんの言葉を信じます。
(*^^*)」
「すみません、仕事が終わったら必ず払いますので。
(*>∇<)ノ」
「分かりました。
ソードさんの真心信じて待ってます。
(^∧^)」
(ふー・・・・何とかやり過ごせたな..。
( *´艸))
私は内心、安堵のため息をつきながらも大家さんを見送る。
そして、大家さんが立ち去るのを確認すると、即座に外に向けて駆け出す。
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