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生まれ変わった先は異世界の、侯爵家三男だった。
次男は3歳の時に病死し、代わりと言ってはなんだが、長男にもしものことがあったときのために作られた子供。
その後、成長してそれらしくなった長男、2度目の人生のため大人しい三男、天真爛漫な四男の少々賑やかな面々になった。
母上は明るいが穏やかな人だ。
変わり者の自覚がある分傷つきやすく、饒舌なときほど内心荒れている。
お菓子作りが趣味の可愛らしい人で、自分を妻にしてくれた旦那様に心から頼りきっている。
矛盾のある説明のようだが、これが当てはまってしまうあたり、変わり者なのだろう。
父上は少々趣味が悪い。
口も悪いし、端整な顔立ちも男らしいが目つきの悪さで第一印象は微妙だ。
悪くはない、語り口は大人で、いつでもおおらか、賢いため相手を立てるし、なんでも笑って頷く寛容な人なのでどこでも人気者だ。
ただ、変なところで恥ずかしがるので時折苛立たしい。
そのくせ変なところで勇者だ。
長男である兄上は子供らしさと勇敢さ、素質と勤勉さを持つ完璧な後継者だ。
若干我儘になりつつあるが、何事も失敗を経験し学べば正されるだろう。
流行りに疎いのがたまにキズだ。
四男はまだ幼いが、ずる賢いところがある。
甘やかされるのが当たり前のような顔をするときは、たいてい僕が嫌な思いをする。
幼いうちから分かるほどに見目麗しく、近々社交界では人気者になるだろう。
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