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抹消、 (ポジティブシンキングとか言った側からこれだよ。 これは駄目だ。 設定とかそういう、なかったことにするような生易しいものじゃない。 在るものを無くする圧倒的強者の暴行だ。 なんて酷い期待をされているんだ僕は…) 奇跡、 (機嫌取りのようなことをするんじゃないよステータスが。 たしかに僕のような前世を認知する存在は極めて稀で奇跡的な存在だけれどね…) 奇怪、 (怒りながら自慢したら今度は小馬鹿にしてくるのか! 君はなんなんだ、僕と会話がしたいのか? それとも僕をからかいたいのか? 冗談じゃない、僕は愛しい存在を翻弄したい趣味はあれど、翻弄されたい嗜好なんてないんだからね) 滑稽。 (ついに笑ったな…… 五歳児相手に必死なようだが、奇怪に並べて滑稽だなんて、君の知能指数を疑うね。 ナンセンス、それに尽きるよ。 良かったら僕が教えてあげようか、美しい順序を) 偽善、 (皮肉も通じないのか君は…… まったく、頭が痛くなってくるよ。 なに、俯いて目を潤ませれば母上が抱き上げて休ませてくれる。 弱々しく微笑みかければ母上は僕に夢中さ) 魅了、 (実力はあると思っているんだけどね、まだ能力には至らないと言うのかい? ああそうか、年に頼った誘惑は魅了としては不十分なんだな) 統治、 (ようやくまともな素質を見た気がするよ。 残念ながら後継者ではないから、どこかに屋敷でも買って悠々自適に暮らそうか) 精霊、 (そうだね、彼らの力を借りれば祝福される未来しかあり得ない。 精霊の愛し子なんていう好条件の人と出会えれば最高なんだが) 魔術、魔法。 (やはりその手の素質は持ち合わせているようだね。 転生者にはありがちな特典だ) 弁舌、 (……うるさいって言いたいのかい?) 銃撃、剣技、 (うんうん、こういった自衛の能力は必要だろうとは思っていたんだ。 やはり物理的にも鍛えておかないと不安だからね) 先見。 (……あいにくと、素晴らしい出会いのネタバレを嬉しがるタチではないのでね。 これは一生開花しないと思ってくれると有り難い)
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