クリスマスがくれたもの

欲しいもの

欲しい物ならたくさんある。ゲーム機や新作のソフト、それに新しい自転車も欲しいし中学校用のリュックも欲しい。

でも、何故か全部しっくりこない。
どれも、わざわざ最後に貰うものではないと思ってしまう。お年玉で買うっていう手もあるわけだし。

もっと何か、クリスマスに貰うからこそ嬉しく感じる、という特別なものはないだろうか。

外を見ると、冬の割には暖かそうな日が差している。毎年そんな感じなので、僕は積もっている雪を見た事がない。パラパラと降ることはあっても、積もる程まではいかないのだ。

そうだ！クリスマスにぴったりなのはあれしかない！
そう思って、手紙を書き始めた。それを封筒に入れ、窓の下に置いた。

しばらくしてから、母さんが帰ってきた。

「ちゃんと書いた？」と聞かれた。
「なにを頼んだの？」
「明日、雪が積もりますように。って書いた。」
そう言うと、母さんは困ったような笑顔をうかべた。