第10章

13/25
前へ
/25ページ
次へ
「呆れた……」 セクシーな唇は半開きのまま テヨンは韓国語で二三僕をなじった。 「何とでも言えよ」 それでも僕が彼を放さないと見ると。 恋に観念した男がみなそうするように 少し照れた笑顔で天を仰ぎ 「あんたには負けたよ」 脳髄まで痺れさせる 甘い声でテヨンは囁いた。 「――好きにしな」 ずっと肩肘張って生きてた カン・テヨンという男が他人に屈した 記念すべき瞬間だった。 僕は脱力し机に腰掛けたテヨンの髪を 思う存分撫で回し 「好きにするさ」 その頬にも額にも瞳にも――余すところなく口づけた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加