第10章

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つまりは――初恋。 「僕が……初めて好きになった相手?」 「そうだよ……」 僕の心臓はドクンドクンと脈打って 喜びを隠しきれないほど踊った。 「何だよ?」 「いや……」 そうか。 無理に大人になっていた分だけ 少年の部分は危ういほど未開拓で――。 「可愛くて……嬉しい」 まだ誰も踏み入れていない。 「はぁ?ふざけんな!」 僕以外にはこんな顔 見せたことないんだ。 悔しげに噛みしめる唇がなおさら愛しく 僕はテヨンの足元に跪いて言った。 「……大事にするよ」 「え……?」 「おまえのことずっと大事にする」
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