第10章

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証拠を見せてなんて――。 疑り深いやつだ。 分かった――僕は答えてその日の夜 テヨンを自宅に招くことにした。 やっと訪れた親密な時。 しかしこれぞ秘密の逢引きだなんて。 そんな悠長なことは言ってられなかった。 チャイムが鳴る。 インターホンを取ると同時 「うわっ……ちょ、待ってて!」 慣れない事して 火にかけていた鍋が噴きこぼれる。 「クソ!なんだよ、これ……!」 玄関のロックを解除して戻った時には 魔女の毒壺みたいにグツグツと煮え滾り 使ったこともないコンロを見るも無残な姿に変えていた。 「で?そのなんだか分からないものを俺に食わせるの?」 「あ……」 片づけに四苦八苦していると いつの間にかリビングのドアの前にテヨンが立っていた。
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