第10章

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「君のクラス――自主退学の申し出が出てるけど」 「はぁ……」 校長は難しい顔で書類に目を通し 椅子の背もたれに重たそうに身体を預けた。 「同時に3件」 「それは……」 例の札付きの悪たちが テヨンの一件から仲間割れし分裂した。 「一重に僕の指導力不足です……」 その結果がこれだ。 「まあ引き止める理由もないからあれだがね――」 校長は事務的に判子をつきながら 厳しい目で僕を見上げて言った。 「他にも何かと問題が多いようだな」 「とおっしゃいますと……?」 悪い予感はいつも的中する。 「君のクラスのカン・テヨンという生徒だが――」 その名を聞くまでいくらもかからなかった。
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