第10章

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頬が触れそうなところで ほんの少し身を屈めテヨンは鍋の味を確かめた。 尖った喉仏が僕の目の前で上下する。 「ほら」 目が細められ 湯気の立つお玉が僕の口の前に添えられた。 「見た目より上手いよ」 僕は素直にそいつを口に運ぶけれど 正直自分が作った鍋の味なんて今となってはどうでも良かった。 「な?」 熱いスープが喉元を流れる間 僕はただただ隣に立つテヨンに釘付けになっていた。 カン・テヨンが家にいる――。 商売でなく 本人の意思でこうして。 だからもうキスしても――。
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