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頬が触れそうなところで
ほんの少し身を屈めテヨンは鍋の味を確かめた。
尖った喉仏が僕の目の前で上下する。
「ほら」
目が細められ
湯気の立つお玉が僕の口の前に添えられた。
「見た目より上手いよ」
僕は素直にそいつを口に運ぶけれど
正直自分が作った鍋の味なんて今となってはどうでも良かった。
「な?」
熱いスープが喉元を流れる間
僕はただただ隣に立つテヨンに釘付けになっていた。
カン・テヨンが家にいる――。
商売でなく
本人の意思でこうして。
だからもうキスしても――。
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