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不意に唇を奪うと
外からやって来たばかりの冷たい唇は
直に冬の窓のように開かれて
「ン……」
僕の熱い舌を受け入れた。
やがて口づけは深くなり
今までよりずっと丁寧にテヨンは応えてくれた。
「……信じていいんだよね?」
僕は薔薇の花束を握りしめたまま
いつの間にか口走っていた。
テヨンは答えた。
「ナルル ミドラ――だからそう言っただろ?」
俺を信じろと
たしかにテヨンはそう言った。
僕にはその言葉の価値が分かっていなかったみたいだ。
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