第10章

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不意に唇を奪うと 外からやって来たばかりの冷たい唇は 直に冬の窓のように開かれて 「ン……」 僕の熱い舌を受け入れた。 やがて口づけは深くなり 今までよりずっと丁寧にテヨンは応えてくれた。 「……信じていいんだよね?」 僕は薔薇の花束を握りしめたまま いつの間にか口走っていた。 テヨンは答えた。 「ナルル ミドラ――だからそう言っただろ?」 俺を信じろと たしかにテヨンはそう言った。 僕にはその言葉の価値が分かっていなかったみたいだ。
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